城下川調査(名張)

図III-4 城下川調査(名張)結果
調査にあたって
 名張市の旧市街は城下町として栄えたところですが、その特徴は名張川の水を市街地に取り込み、細かく分岐させて排水路として利用しているところです。この排水路は城下川と呼ばれています。城下川には、下水道未普及地域である旧市街地の生活排水が未処理のまま流れ込みますが、本調査(名張川調査結果参照)では、城下川の取水口と排水口での水質にそれほど差がなく、汚濁が進んでいるとは考えられない結果が得られました。本調査では排水路1ヶ所のみの採水でしたが、6本の排水路全てで同じ結果になるのか、念のために確認の調査を実施しました。
 
名張旧市街、城下川の汚濁負荷は小さい
 測定は同じ日の午前と午後に2回、城下川の取水口と6本の排水路で採水し、CODと全窒素を測定しました。図III-4はCODの結果です。(3)6号下水路(南町下)の地点が本調査で採水していた地点ですが、その他の排水路の結果もあまり差はなく、汚濁負荷は小さいことが分かりました。これは、排水路がすべて開渠であるため人々の目に止まるので、川を汚さない努力が続いていると考えられます。また、この地域はし尿を汲み取り式で処理しているので、汚濁負荷が少ないものといえます。
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